お仏壇の歴史
現在の日本で広く用いられているお仏壇の起源といわれを簡単にご説明いたします。
お仏壇の起源
日本最古のお仏壇のご紹介と、変遷をご説明いたします。
日本最古のお仏壇
日本最古のお仏壇は、法隆寺の「玉虫厨子」と言われています。
玉虫厨子は飛鳥時代(7世紀)の仏教工芸品で、現在は大宝蔵院に安置してあります。「厨子」は仏像や経典、位牌など礼拝対象を安置する仏具で、いわゆる「お仏壇」の原型とも言えます。
8世紀、聖武天皇が各国に「国分寺」の建立を命じ、仏教による国家統一を図ったのは有名な話ですが、その5代前の天武天皇も熱心な仏教徒でした。天武天皇は「諸国家は仏舎を作り、仏像や経典を置き、礼拝せよ」といったことが日本書紀に記されています。
それがまさに飛鳥時代、7世紀のことで、仏舎やお仏壇の原型が全国に伝わる起源となりました。
お仏壇の普及
奈良~平安の時代には仏教は広く民衆に浸透しておらず、貴族階級のものでした。しかし鎌倉時代になり、「民衆の救済」を掲げた宗派により、門徒を爆発的に増やしていきました。
そんな中、禅宗の僧によってお位牌が持ち込まれた際、他宗派でも「位牌壇」を用いたり、室町時代になると浄土真宗の蓮如上人が各家庭に仏壇を祀るよう説いたため、「お仏壇」も広く定着するようになりました。
江戸時代になると、檀家制度の定着により、他宗派の信徒もお仏壇を家庭に置くようになりました。
お仏壇のいわれ
お仏壇は、ご本尊とご先祖の位牌を安置してお祀りする、いわば家庭の中のお寺のようなものです。
作りは寺院のそれを模しており、実際にお仏壇の内側のことを「内陣」(神社や寺院の本堂で神体・本尊を安置する場所)と呼びますし、ご本尊を安置する場所は「須弥壇」と呼び、仏様が住む「須弥山」をあらわしています。
現在のお仏壇
昔ながらのお仏壇から、今風のモダンなお仏壇もございますが、共通するものはご本尊、ご先祖様をお祀りする想いです。
現在は、お祀りする方が一番想いを込めやすい形をとられる傾向にあります。
参考文献:日本人のお墓
参考文献:http://ja.wikipedia.org/wiki/玉虫厨子
参考文献:森正株式会社 製品紹介
参考文献:岡山県 神社庁